2011年2月27日日曜日

グッゲンハイム美術館(Guggenheim) -再会-


念願のグッゲンハイム美術館に行ってまいりました。

いつも行きたいと思っていたのですが、NYの数ある美術館の中で唯一どんな割引もドネーションも効かず、一年に一回のミュージアムウィークのときしか入場無料にならないことなどから私にとって敷居の高い美術館だったのです。

先日、5年NYに住んでいる友達と話していて、

友達「グッゲンハイム行った事ないんだけど、フランク・ロイド・ライト好きだから行ってみたいんだ。」

ゆりつう「え?私も!じゃ、行こう!」
って事で、思い立ったが吉日。

86丁目まで行ってまいりました。

グッゲンハイムは近現代美術を展示しており、なによりフランク・ロイド・ライトによって設計された美しい外観が有名な美術館です。

ソフトケーキのようなグルグルっとした概観で、内観も同じようにグルグルって巻いております。

ここに入った瞬間、「あ、私ココ見たことある!」

そう、去年終わったドラマ、アグリー・ベティーのシーズン3のロケ地で使われていたのです。

建築の美しさから多くのドラマや映画でも使われています。

なんか、旧友に再会したみたいな気持ちになりました。

無料で絵画の説明を聞けるオーディオを貸し出してくれているので、そちらを借りて見学開始!

1階から緩やかに坂を上るようにして上にあがっていきます。

ピカソやゴッホなどの名作もあり、フォーカスは1900年代。

作品の80-90%は絵画なのですがその中でひときわ目立つ彫刻を発見。

しかもこちらの彫刻、以前にMOMAで見たような。

家に帰ってMOMAに行ったときの写真を探してみると、なんと3枚も撮ってました。わたしこのときも相当気に入ってたんだな。

こちらの躍動感があって勢いのある像、凄く気に入ったので友達に、

ゆりつう「自宅の玄関とかに置いときたいよね、この像」

友達「ようこそ!みたいな感じ?」

この彫刻に”ようこそ”って名前をつけた友人のセンスに抱腹絶倒しました。

家にやってきたお客さんも、この一歩前足をだした像にようこそ!って出迎えられたら後ずさりしそう・・・。

いやぁ、グッゲンハイムの思い出が半分以上この”ようこそ”に支配されたのは言うまでもありませんが。

で、この像が気になって家に帰ってからリサーチしてみました。

ウンベルト・ボッチョーニ(Umberto Boccioni)さんの『空間における連続性の唯一の形態』(Unique Forms of Countinuity in Space)というブロンズ像の作品で、イタリアユーロの20セント硬貨にもなっているらしいのです。

解説を読むと、グライディングもしくは飛んでいるかのようにも見え、ふくらはぎ部分にあるヒレのようなものが空中に漂っているようにも見えるとの事。

さらに、この足の力強さから気づきませんでしたがこちらの像は手がありません。

人のようにも見えますが、顔は十字になっており、顔という明らかな顔がないのもこの不思議な像の特徴でございます。

人間のように見えておりますが、ボッチョーニさんによると、「これは人間ではなくて(多くの人はそう間違えるけど)、直感的洞察によってみる空間における連続性の形態なんだよね。」との事。

うーん、久々に芸術って難しいねって思いました。

つまりは心の目で見ろって事ですね。

最近よく思いますが、芸術にLabelはないのです。

人はよく、「これってあれだよね」って決め付けて自分の中で解決したがりますが、決め付けてしまった時点でその物事(人も同じですが)は自分が決め付けた以上にはならないのですよね。

自分自身で、その物事(人)に限界を作ることは、自分にとっても広がりを制限してしまうことなんです。

そんな大切で忘れかけたことまで思い出せてくれた”ようこそ”でした。

それにしても通常こちらの像はMOMAにあるようなのですが、たまたまグッゲンハイムに貸し出されていたようで、今回再会しました。

私もしかしたら、”ようこそ”と縁があるのかも。

いつか何かの間違いで私が億万長者にでもなったら、玄関にこちらの像を置いて皆様をお迎えしますので、遊びにきたら後ずさりしないで下さいね。

グッゲンハイム美術館http://www.guggenheim.org/
『空間における連続性の唯一の形態』(Unique Forms of Countinuity in Space)(English):http://en.wikipedia.org/wiki/Unique_Forms_of_Continuity_in_Space

1071 5th Avenue
New York, NY 10128-0173
(212) 423-3500



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